慢性副鼻腔炎の治療

 

慢性副鼻腔炎は、風邪などが原因で起こる急性副鼻腔炎が完全に治りきらずに再発するうち、粘膜の肥厚、孔の閉塞による換気障害、分泌物の滞留と細菌の増殖による炎症の悪化、といった悪循環を繰り返します。

 

治療にはこのような悪循環を断ち切ることから始めます。
症状の程度や、患者の年齢、鼻ポリープの有無などを総合的に判断し、治療法が選択されます。

 

保存療法

保存療法には局所療法と薬物療法とがあります。

 

局所療法
鼻腔内清掃

鼻腔内に溜まった鼻汁や膿を吸引し、中を綺麗に清掃して、塞がった孔が開きやすいようにします。
それによって換気の改善や滞留した分泌物などを排泄します。

 

副鼻腔洗浄

上顎洞穿刺洗浄法と呼ばれる方法です。
鼻腔を麻酔した後、副鼻腔の上顎洞に太い針を刺し抗生物質を混ぜた生理食塩水を注入するとともに、内部に溜まった膿を吸い出し洗浄します。
吸い出した膿は細菌培養検査を行います。

 

ネブライザー治療

噴霧器による吸入治療のことです。
薬を霧状にして、鼻や口から吸い込むようにできるだけ装置を使って、抗生物質や ステロイド薬を、鼻腔から副鼻腔に送り込みます。

 

細かい粒子にして、霧状にすることで副鼻腔まで届きやすくなるメリットがあります。

 

また噴霧吸入であれば薬の量も少なくて済みます。
大部分が粘膜で代謝分解されるので、体内にはほとんど入っていきません、そのため副作用の少ない治療法です。

 

薬物療法

マクロライド療法という薬物療法が一般的です。
マクロライド系抗生物質を少量長期投与する治療法で、これに従来からの粘液線毛機能改善薬、消炎酵素薬、漢方薬などが組み合わされます。

 

マクロライド療法は、もともとびまん性汎細気管支炎(気管支が枝分かれして細くなり肺胞に入る手前の呼吸細気管支2慢性の炎症を起こす病気)に対して行われていました。

 

びまん性汎細気管支炎に伴って発生する、慢性副鼻腔炎にも効果があることがわかり慢性副鼻腔炎単独の治療にも用いられるようになりました。

 

抗生物質はその代表的なものにペニシリン系セフェム系テトラサイクリン系などがありマクロライド系もその一つです。

 

マクロライド系の抗生物質は、ペニシリン系セフェム系など他の抗生物質と異なり、殺菌作用というより細菌のタンパク質の合成を阻害することで、その増殖を抑える静菌作用があります。

 

なぜ少量を長期投与することで効果があるかというと、このようなマクロライド系抗生物質の本来の働きである静菌作用の他に、この薬が鼻汁を抑え繊毛運動を改善し、炎症を起こす物質の分泌を抑える働きがあるからとされています。

 

長期投与に用いられる薬剤はクラリスロマイシン ロキシスロマイシンエリスロマイシンで普通に用いられる量の半分程度を3から6か月を目安に投与します。

 

膿性鼻漏が多いなど重症の場合には、投与開始期の数週間は通常量を投与し、その後に半量に減らすこともあります。

 

手術療法

手術
薬物療法など保存療法で治らない場合は手術が行われます。

 

手術には顔面を切り開く、切開手術と内視鏡手術とがあります。
以前は切開手術が主に行われていましたが、現在ではほとんどの症例で内視鏡手術が行われるようになっています。
しかし病変が進んでいる場合は切開手術が行われることもあります。

 

これは、恐ろしい手術で二の足を踏む方が多いと思います。
たしか、上唇からベローンと剥いで中を綺麗にする手術だったと思います。(?´ω`? )

 

外科手術

手術は通常局所麻酔で行われますが場合によって全身麻酔のこともあります。

 

上顎洞の副鼻腔炎を例にとると歯肉にメスを入れて少し持ち上げ上顎洞の前の骨を露出させます。

 

上顎洞に窓を開けて道内の膿や肥厚した炎症性粘膜を取り除きます。( ????ω???? )

 

この手術法は、副鼻腔炎の根治治療法として100年以上前から行われているもので、内視鏡が登場するまでは副鼻腔手術の主流でした。

 

前頭洞に対する手術では目の上の部分を切開し皮膚を広げて骨を出します。
ついで骨の一部を摘出し洞内の炎症性粘膜を剥離除去した後摘出した骨を元に戻します。

 

いずれも鼻の外からメスを入れるため、前者を鼻外上顎洞手術法、後者を鼻外前頭洞手術法と呼んでいます。

 

これらの手術の目的は病変のある副鼻腔を外から開けて、内部の腫れた粘膜をきれいに取り除き、膿を除去して鼻腔との空気の流れをよくすることにあります。
しかし歯茎や顔面にメスを入れるので術後に顔が腫れたり唇が痺れるなどの後遺症が出ることがあります。
また両側の副鼻腔が悪い時は日にちをあけて、片方ずつ手術を行うので入院期間も長くなります。

 

内視鏡手術
内視鏡下鼻内副鼻腔手術

最近では、内視鏡下鼻内副鼻腔手術と呼ばれる、鼻内より内視鏡を使って行う手術が主流になっています。

 

内視鏡は直径4ミリほどの細い管です。
内視鏡には硬性内視鏡と軟性内視鏡の2種類があります。

 

硬性の方はまっすぐの金属製の管で、軟性は本体が樹脂でできているので、ぐにゃぐにゃとを曲げて見たい方向を観察することができます。

 

内視鏡手術に用いられるのは片手で操作可能な構成内視鏡で、外科整形外科泌尿器科などで行う内視鏡手術もこのタイプが使用されています。

 

この硬性内視鏡を鼻腔内に挿入し、内視鏡につけたカメラで捉えた鮮明な映像をテレビモニターに映し出しながら、鉗子や吸引管などの器具を操作して手術を行います。

 

この手術の目的は炎症を伴った病的な粘膜の除去と、副鼻腔の換気と排泄を行えるようにすることです。

 

つまり悪いものを全部取ってしまうという考え方ではなく、治りやすい形にすることが目的なのです。
本来鼻腔と副鼻腔は自然孔と呼ばれる空気の通り道で繋がっています。

 

慢性の副鼻腔炎ではその自然孔が炎症で腫れた粘膜や、ポリープなどでふさがり鼻腔と副鼻腔の交通が立たれています。

 

その状態を手術で改善し鼻腔と、副鼻腔との間を通じるようにします。
これによって副鼻腔の換気を良くし、溜まった膿や分泌物が外に出やすいようにして、元の正常な状態に手術後の治療で戻すのです。

 

つまり手術後の治療が大変重要になります。
我々が患者さんに手術の説明をする際、手術が6割手術後の治療が4割とお話ししています。
最低でも手術から半年程度は経過を観察させていただいています。

 

内視鏡手術では、大きな切開や顔に切開を加える必要がなく、患者さんの体への負担も少なくて済みます。

 

ただし内視鏡手術は鼻腔から手術を行うため、鼻中湾曲症があり鼻腔が狭く十分な手術を行うスペースがない場合には、鼻中隔矯正手術を合わせて行います。

 

手術は局所麻酔でも十分可能ですが、患者さんの希望や施設によって、また副鼻腔炎の重症度によって全身麻酔が選択されます。

 

子供も手術でちりょうするの?

子供の副鼻腔炎
子供の場合副鼻腔も発育途上で成長とともに大きくなっていくので、薬物療法による保存的治療が基本となります。

 

また子供の副鼻腔炎は成長すると自然に治ることもあります。
したがって成長に応じた治療が大切となります。

 

大人と同じような内視鏡手術が可能となるのは、基本的には副鼻腔の発育が完了してからになります。

 

子供の副鼻腔炎に早く気づく方法は

副鼻腔炎になる子供は多いでしょうか?
子供の鼻の病気は副鼻腔炎アレルギー性鼻炎鼻出血が代表的なもので鼻の病気の中でも比較的多いと言えます

 

病気に早く気づくには
子供の場合咳や発熱鼻血などのいわいる風邪症状が長引くようなら要注意です。

 

通常子供の風邪なら3、4日程度で症状が改善するのが普通です。
風邪症状が1週間とか10日以上続くようなら副鼻腔炎を疑う必要があります。

 

風邪との違いは
風邪の時に出る鼻汁はさらさらとして水っぽいですが、ドロッとした黄色い鼻汁が出るのは副鼻腔炎になった特徴です。
また鼻づまりになって口で呼吸するようになります。
他にも頭痛がしたり保谷目の周りが痛くなったり鼻に血が混じったりすることがあります。

 

原因は風邪以外にもありますか
最近はアレルギー性の炎症性疾患も原因の一つと考えられています。
また子供はアデノイドという鼻の奥にある扁桃腺が大きいことが多く、鼻の通気障害で鼻汁の排泄が悪くなり、副鼻腔炎に移行することがあります。

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